BLOG 西精工の日常

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2022.01.12

「お金」に関する説明会

年末のある日、成型1係のみんなを対象にした「お金」に関する説明会が実施されました。
今回は「利益」、そして「在庫と税金」について経理いけぎたさんと経営管理ひらたさんの二人が説明してくれます!
よろしくお願いします。

まずは「利益」について。
「会社が事業を運営して、儲けたお金でしょ」
みたいな「なんとなく」は分かっているけど、利益にはどんな種類があって、それぞれどんな意味があるのか?となると、分かっているようで分かっていないことがけっこうあります。
逆に、それを知っておくと、日々のものづくりの中で気をつけなければいけないことや、正しく利益を出すためにどうすればいいのか?といった思考のヒントにもなります。

でもこの「売上」をあげるためには、材料費や油費、電気料金も使うし社員のお給料も発生します。

すごく乱暴ですが、「売上」をあげるために使った「経費」を「売上」から差し引くと「利益」が出ます。
 「売上-経費=利益」
例えば、100万円の売上をあげるために、経費を80万円使ったら、利益は20万円です。
 「売上:100万円-経費:80万円=利益:20万円」
逆に、100万円の売上をあげるために、経費を110万円使ったら、利益はマイナス10万円です。
 「売上:100万円-経費:110万円=利益:マイナス10万円」
そして儲けた「利益」に対して「税金」がかけられ、税金を払うことになります。

ここからがちょっと難しい。
上のようにシンプルだといいのですが、実際の損益計算はややこしい(汗)
 ①「売上」から「ものづくりに掛かった経費」を引くと「売上総利益」が出ます。
 ②「①売上総利益」から「販売や管理に掛かった経費」を引くと「営業利益」が出ます。
 ③「②営業利益」から「本業以外の営業活動で得た収益や損失」を足し引きすると「経常利益」が出ます。
 ④「③経常利益」から「臨時で発生した本業以外の収益や損失」を足し引きすると「税引前当期純利益」が出ます。
 ⑤「④税引前当期純利益」に「税金」が掛かり、「税金」が差し引かれたのが「当期純利益」です!
なんと①~⑤の間で5つの「利益」が存在するんです。

ここからまたちょっと難しい話です。
シンプルに書くと、
 「在庫が増えたら、増えた分を利益とみなされて、余分な税金を払わないといけない」
です。

さっき上で「売上-経費=利益」としました。
しかしこの経費、正確には「売れた製品を作るのに使った経費」なのです。
例えば、Aという製品を10万円の経費をかけて作ったのですが、全然売れませんでした。
ここで「売上:100万円-経費:80万円=利益:20万円」に乗せてみましょう。
経費が10万円さらにかかったので
 「売上:100万円-経費:90万円=利益:10万円」
としたら、「利益:10万円」に対して税金がかかります。もし「税率30%」なら「3万円」納めます。

しかしこの10万円は「売上に寄与していない」ので経費に含められません。
実際には10万円の支払いをしているのにも関わらず、「利益:20万円」に課税されることとなり、税金を「6万円」納めることになるのです。
ややこしいですが、Aという「売れない製品」を作ったことで、納める税金が増えたのです。

そしてこの「在庫」は、製品在庫や材料在庫はもちろんですが、(未使用)金型や包装資材なども対象になるんです。
なので「どうせ使うから」と今すぐ必要でない金型や副資材を買ってしまうと、それに対しても余分な税金を支払わないといけないのです。
「ついで買い」をしてはいけないのは、そういう理由があるんです。

じゃあ、「在庫を増やさなきゃいいやん」ということですが、色々な理由で増える(増やす)ことがあります。
①販売計画と販売実績の乖離:
 Bという製品を100個売るつもりで100個生産したけど、10個しか売れなかった。
  →90個在庫が増える。
②生産計画数の超過(作り過ぎ):
 中途半端に材料が余るので全部使いきっちゃえ。
 どうせ来月も生産するからそのまま生産しておこう。
③戦略的在庫増:
 来月、生産設備を修理するから作りだめしておこう。
 来月の出荷が多いので今のうちから作っておくことで来月の残業を抑制しよう。

「③」以外の理由で在庫を増やすのは避けたいところです。

説明会を受けてくれたメンバーたちから、色々な質問もありました。

・在庫をお金に換算するのってどうやってるの?
→これは棚卸在庫評価額が社内で決められており、その単価で計算をしています。

・お客様から支給される材料で生産したものはどうしているの?
→材料費としての計上は他の材料と同じです。

違うのは、製品の売上と支給された材料費でお客様とのお取引きにおいて「相殺処理」をします。

・ビジネスパートナー様に加工をお願いしている製品はどこの在庫?
→これはうちの在庫(資産)になります。

今回のブログ、ちょっと難しい内容になっちゃいましたが、すごく大切なこと!
私たちが日々作っている製品が在庫や税金にどう影響を及ぼしているのか?
私たちが日々費やしている経費がどう利益に影響を及ぼしているのか?
これらを正しく知ることが、正しく利益を出すことにつながっていきます。
いけぎたさん、ひらたさん、説明会を実施してくれて、ありがとうございました。

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